8. 21世紀新人類文明の発進基地としての日本

日本文明は、東洋文明と西洋文明が邂逅し、精神文明と物質文明が調和した総合文明です。
世界の多くの文明を吸収した「文明の坩堝(るつぼ)」でありながら、太古からの叡智を現在まで脈々と受け継いでいます。 日本は明治維新以後の文明開化、殖産興業,富国強兵により、科学技術や経済を発展させて、世界の主要国の仲間入りをしました。
その過程で西洋、白人、キリスト教徒でない日本人は西洋列強から差別を受け、日本の生存の危機もありましたが、何とか乗り越えることができました。
日本は日本とその周辺諸国を西洋列強から守るために、やむを得ず戦争をしましたが、周辺諸国の理解は得られず、植民地化した欧米諸国ではなく、日本が敵とされました。
そのような日本の国家戦略の失敗により、周辺諸国に多大な迷惑をかけたことも事実ですが、日本が日露戦争に敗戦し、東アジアに進出しなかったら、歴史はどのようになっていたでしょうか。
日本は敗戦後の経済発展の時期に、自国が非常に厳しい状態でありながらアジアを中心として経済援助を実施し、現在も日本自身の危機にもかかわらず援助は続けています。
世界がひとつになろうとしている今日、ヨーロッパはEUが誕生して復活しましたが、東アジアもそろそろひとつの国にするのは無理としても、お互いに理解し協力するようにならなければなりません。

日本社会は、比較的安全で、自由で、平和で、平等な社会です。物価が高いことは事実ですが、世界的に見ても、まあ住みやすい方でしょう。
西洋のように力による世界支配ではなく、異なった文明も認めつつ、お互いに友好親善を図るというのが、日本の基本方針です。
日本は21世紀の人類社会において、引き続き日米同盟を堅持し、さらに世界の支配層とも協調していくのが、日本として可能な唯一の道です。
世界の支配層にとっても、ひとつの世界を構築するために、日本はアジアでは中国にもまして、真の友好、協調、同盟を図れるかけがえのないパートナーなのです。世界支配層にとっても日本経済を破壊することは世界戦略上得策とはいえません。
とくにユダヤ人は失われた10支族がどうしたか、シルクロードの始点と終点がどこであったか、ユダヤの秘宝はどうなったかをイスイラエルの再建のために調べるべきでしょう。
日本はもともと日本なのですが、島国であってもまったく交流がなかったのではなく、大陸からの移民もあり、日本人に同化しています。日本は長期間平和を保った国、民族であるのです。日本人自身も日本の秘史を調べてみる必要があるでしょう。
そのような国際情勢において、最近は周辺諸国と友好親善を図るために必要以上に妥協し、言いなりになっている面があり、そのようなことは日本の利益だけでなく、世界支配層や周辺諸国の民衆の利益になりません。
日本にとっても、欧米の世界支配層にとっても、周辺諸国自身にとっても、名実ともにひとつの世界を構築するためには、第二次世界大戦後の日本の占領政策からの脱皮が必要なのです。

日本は外国に自衛隊を派遣して国際貢献をしようとしています。それもひとつの国際貢献のあり方でしょうが、各国際機関の上級職員の日本人はすくないので、緒方貞子さんのような方がどんどん出てくれば、日本のイメージも変わるでしょう。
自衛隊が、イラクで亡くなられた2名の外交官がどんなに崇高な使命感を持っておられても、残念ながら現地のすべての方に理解していただくことは困難なようです。
日本人は日本の考え方を外国人にもわかるように、あらゆる手段を使って説明しなければなりません。東アジアの問題も繰り返し、日本の考え方を説明するべきであり、いわれなき非難を認めるべきではありません。
国際貢献について国家全体で考える場合、現在の日本の指導者の一般的考え方は、日本人は科学技術と経済で世界に貢献すべきであるというものです。
私もこの考え方を否定しませんが、私は世界が一体化する今日、日本は科学技術、経済、政治、文化、宗教などの各分野を超越した21世紀の新しい文明の創造によって世界人類のために貢献するべきだと考えております。
その意味において、日本こそ「21世紀新人類文明の発進基地」なのです。さらに「日本の叡智」が世界を救うでしょう。


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