ポーズの基本と表情について

 ポートレートのポーズの基本はほぼ次のとおりになります。

カメラマンとしては、ニコパチが基本であってもかまいませんが、ひとりのモデルのさまざまなポーズや表情の写真を撮りたいものです。

広告のようにモデルをどのように撮影するか決まっている場合は別として、そうでない場合はできるだけ多くのポーズや表情をとり、その中からいいものを選んだ方がいいでしょう。

街の写真館は、同じスタジオで、同じ位置から、ほぼ同じポーズを撮っているのですから失敗の仕様がありません。しかし、モデル撮影は、モデルの表情は刻々と変わり、ポーズやアングルもさまざまなものを撮影して、数打てば当たるではないですが、その中からいいものを選ぶべきです。

デジタルカメラでしたらその場で出来栄えがわかるのですが、フィルムの場合は現像するまで、あるいは現像してプリントにするまで出来栄えがわからないのですから。

 

1.   立った姿勢

(1)  全身(前向き、横向き、斜め向き、後ろ向きで顔のみこちら)

(2)  半身(同上)

(3)  バストアップ(前向き、横向き、斜め向き)

(4)  顔のみ(正面、斜め向き、横向き)

2.   座った姿勢

(1)  全身(前向き、横向き、斜め向き)

(2)  半身(同上)

(3)  バストアップ(同上)

(4)  顔のみ(同上)

3.   寝転んだ姿勢

(1)  うつぶせ

(2)  仰向き

4.   しゃがんだ姿勢

 

 次に顔や目線については大きく分けて次のバリエーションがあり、撮影目的やその写真のテーマにあわせてどうするか決めましょう。ただし、いろいろな写真を撮って後から選んだ方が無難です。

1.   カメラの方に顔を向けて直視する目線

2.   カメラの方に顔は向けるが直視せずある方向を見る目線

3.   カメラの方に顔を向けないが目はカメラの方向を見る目線

4.   カメラの方に顔もむけず、目も向けない目線

 

  女性の場合、カメラに対してやや斜めに立ち、背筋を伸ばし、直線的に仁王立ちをすることなく、体や首をやや曲げたり、くねらせると女性らしく見えます。

足は立った場合はモデルのようにT字型にしたり、少し交差させたり、組んだりするとよいでしょう。片足を前に伸ばしたり、後ろで地面をける形にするのも変化があります。ただし、逆にわざと足を大きく開いたポーズで挑発する場合もあります。近くに木や壁がある場合は、ポーズにそれらを利用してもいいでしょう。すわった場合は足をそろえて右か左に軽く斜めにするとか、足を組むとかするとよいでしょう。ただし、この場合もわざと足を開く場合もあります。椅子を使わずに、床にそのまますわつたり、足を組んだり、立てひざをしたり、あぐらをかいたりするのもおもしろいでしょう。

手は前や後ろで軽く組んだり、腰や胸にそっと手をかけたり、歯が痛いと誤解されない程度にそっと頬にもってきたり、さまざまなバリエーションがあります。いずれの場合も力を入れすぎず、そっと身体の一部に持ってくるのが秘訣です。指もじゃんけんのグーやパーではなく、チョキとばかりはいかないももの、親指や小指は曲げても人差し指や中指は曲げないなど、力の入らない自然な形にしましょう。椅子に座っている場合は肘掛に手をつくのもいいでしょうし、背もたれに手をかけるのもいいでしょう。

 

写真撮影においてモデルが緊張して固くなり、そのタレント・モデルの魅力を充分に出し切れなければ、モデルにとっても、カメラマンにとっても不幸なことです。そのためには、タレントの卵やモデルは、写真撮影になれて撮影してもらえることを楽しめるようにならなければなりません。プロが撮影したアイドルの市販の写真集があまり売れないのは、写真撮影を慣れてないのにいきなりプロの写真家にヘアメイクとスタイリストをつけて撮影を依頼するからでしょう。忙しいプロの写真家ほどタレントの表情つくりまでやっていられないでしょう。

 

表情についてはさまざまな表情が自然にできるようにモデル自身も平素から練習をしておきましょう。広告宣伝の場合はカメラマンや広告代理店から指示があるでしょうが、広告写真を見る人がその商品を注目したり、購入したりするように仕向けるのがモデルの役割であることは言うまでもありません。モデルはその商品広告の一部であり、そのコンセプトと一致したからそのモデルが選ばれたのです。ミスコンに優賞したのと意味が違うのです。

 

1.   微笑んだ表情

2.   はっきりと笑った表情

3.   ごく自然な表情(無表情)

4.   はにかんだ表情

5.   自信を持ち得意げな表情

6.   色っぽい表情

7.   カメラを(写真を見る人を)見つめた表情

8.   その商品はおすすめといった表情

9.   着ているこの服いいでしょうという表情

10. いたずらっぽく怒った表情

11. 本当に怒った表情

12. 悲しそうな、泣きそうな表情

 

 本書には数多くのポーズの写真を掲載しました。

言葉で説明するよりも、それらの写真を見ていただき、

写真撮影をするときのポーズと表情の参考としてください。