現代日本の危機
現代日本は危機ですが、その本質がわかっていない方が非常に多いという困った事態です。
それは、日本人が政治や経済に対する関心をなくしてしまったことと、政府やマスコミが枝葉末節は発表しても、もっとも本質的なところを国民に伝えていないからです。
バブルの発生から崩壊、その後の誤った経済政策、「改革」という名称の日本つぶし・・・
小泉首相は、経世会(旧田中派、旧竹下派)をつぶす、自由民主党をつぶす、このままでは日本をつぶしかねません。
「改革」は必要なのですが、「改革」の内容が問題なのです。とくに無条件にアメリカやその背後の勢力のいいなりになったことが問題なのです。このままでは、日本は近隣諸国と完全に対立してしまいます。東アジアが戦争になりかねません。日本はこのままでは滅亡してしまいます。
日本の独立と友好関係
私の基本的立場は、国際資本やアメリカとの友好ですが、友好と言いなりとは違います。日本が日本であるからこそ、歴史も、文化も、社会の仕組みも違う日米両国が同盟を結び友好関係を堅持していくのです。
アメリカは強大な軍事力、経済力を保持していますが、アメリカだけが世界の理想国ではありません。日本には長い歴史があり、日本はその時代の最強国と友好を図ってきました。日本は有史以来、アメリカに占領された戦後の数年間を除いて、ずっと独立を保ち、属国になったことも、植民地になったこともありません。
私たち、現代の日本人は、元寇のとき、幕末のとき、日露戦争のとき、戦争末期から敗戦にかけてなど、日本人の先祖がどれほど苦労して国を維持し、日本人の生き残りを図ってきたかを知らねばなりません。
今、日本に必要なのは、外圧による言いなりの改革ではなく、日本人の、日本人による、日本のための改革なのです。それは、改革というよりも「維新」というべきものなのです。
日本文明について
日本は、日本人であり、日本国であり、日本文明であり、日本文化であり、日本語なのです。一国一民族、一国一文明、一国一文化、一国一言語なのです。概ねそのように言っても誤りではないと思います。
現在も、明治時代も、江戸時代も、鎌倉時代も、平安時代も、奈良時代も、日本は日本なのです。日本は、中国、インド、ヨーロッパ、アメリカと世界の主要文明を吸収していますが、太古からの日本の精神文化は現在までも脈々と受け継がれていますし、民族の中核である皇室も男系で続いているのです。国際派で日本の歴史も文化も知らない「知識人」は、このことを忘れてはなりません。日本には、日本の国柄があり、国体があるのです。
いかにアメリカが強大であろうとも、アメリカの文化遺産はほとんどありません。先住民族の文化遺産があったかもしれませんが、それらは破壊してしまったのです。
ヨーロッパの王室の歴史と、日本の皇室の歴史を比べてみると、ヨーロッパは、「・・・朝」というように王室の交代があり、王室同士で国際結婚をしていますが、日本の皇室は歴史が古く、日本民族としての自覚ができるぐらいの太古から脈々とつながっているのです。
日本にも時代時代により実質的な権力者はいたのですが、自ら天皇にはなれなかったし、なろうともしなかった。それが日本建国以来の日本の歴史なのです。男系の天皇家が続いていたからときの権力者も天皇にはなれなかったのです。
21世紀になり世界がひとつになろうとしています。現代の日本人にとってまずやるべきことは、地球人類文明の中で、日本文明を位置づけて、さらに方向付けることなのです。文明を衝突させるのではなく、文明を共生して、収斂させるのが日本文明です。
21世紀の地球人類文明は、世界の主要文明を吸収した「文明の坩堝」である日本で溶解して再形成されるでしょう。その意味で、日本文明は「21世紀地球人類文明の発信基地」であり、21世紀の世界文明は日本文明が礎になるといっても過言ではありません。
私たちに必要なことの第一は、世界全体に対する巨視的・歴史的な視野なのです。
情報の収集と戦略の策定
次にもうひとつ必要なことは、国際情勢に関する情報の収集と、日本国、日本民族、日本企業としての総合戦略なのです。
大東亜戦争、第二次世界大戦に敗戦した根本的な原因は、まず第一に経済力・科学技術力が劣勢で、資源がなく、やもをえず戦争をせざるをえなかったこと。第二には情報と戦略が弱かったことなどです。
日本と中国が戦ったことにより、中国共産党が政権を獲得することになりました。日本はどんどん中国の奥地やアジア各地まで、戦域を拡大させてしまいました。さらに包囲網ができ、挑発に乗り、真珠湾攻撃をすることにより、アメリカが第二次世界大戦に参戦する口実を与えてしまいました。
日本の暗号は解読され、日本内部の情報は筒抜けだったようです。日本は国際情勢の正確な分析もできていなかったのです。日本の中枢部の情報が漏れ、軍事戦略はあっても、国家戦略がないから敗戦したのだと思います。
日本は敗戦後の復興、高度経済成長、石油ショック・ドルショックの克服とひたすら頑張りました。アメリカとしても、東西冷戦の中で、日本は反共の砦であったのです。中曽根首相は「不沈空母」と表現しました。
改革の実行と日本の危機
1980年代の後半、プラザ合意による円高が進み、バブルを発生させて急速に崩壊に導き、その後めまぐるしく政権が交替し、誤った経済政策が実施されました。このあたりから日本がおかしくなりました。「改革」というより「アメリカの年次改革要望書」の実行でしょう。内外で日本つぶしが行われているようです。
この時期は世界各地で自由化、民営化、「改革」が実行されました。ソビエト連邦が崩壊してロシアになり、東アジア以外では東西冷戦の壁は崩壊しました。日本だけが危機だったのではありませんが、「失われた十年」が経過してしまいました。
日本の未来を開く新しい文明の創造
しかし、日本はこの程度の危機は、過去の歴史では乗り切ってきたのです。アメリカも中国もこのままでは自滅する可能性があります。アメリカ一辺倒、中国一辺倒は避けたほうが無難です。日本の未来は日本人自身が切り開くしか方法がありません。
日本は日本の歴史と伝統を守りながら、21世紀の地球文明・人類文明を創造する、基本的人権や民主主義を守りつつ、戦乱に明け暮れ、物だ金だの資本主義から超越する新しい地球人類文明を創造することにより、世界に貢献しようではありませんか。
最後に、少しだけ踏み込んで説明しますが、日本人は歴史が古く、もともと日本人であったのですが、大陸やシルクロードを通って、その彼方からの帰化人は流入しています。
アシュケナジーユダヤ人はハザール人がユダヤ教に改宗したもので、本当のユダヤ人(スファラディユダヤ人)は白人ではありません。ユダヤが滅亡して、逃げ道は東のアジアか、西のアフリカしかなかったようです。日本の先は太平洋ですから、失われたユダヤ十氏族が日本に来て、帰化人となった可能性も否定できないと思われます。
そう考えていくと、日本人の一部は帰化人であり、ユダヤ人と称する人々よりも、日本人に帰化した人々のほうが、ユダヤ人の本流であり、日本人はその末裔でもあるということになります。
日本人もユダヤ人ももっとも重要なのは民族としての祈りなのです。日本の中核の皇室は日本民族の祭祀の長でもあるのです。日本が日本である限り、神道や仏教の祈りをすることは当然なのです。他の宗教を否定はしませんが、「日本は天皇を中心とする神と仏の国」なのです。国家神道は明治以後つくられた政治的なイデオロギーであり、今は絶えかけていますが仏教伝来以前から脈々と続く古神道やその後他宗の影響も受けた神道とは異質のものです。
国家百年の大計を策定して経綸を転換せよ
今の日本人に必要なことは、巨視的・歴史的な視野と、個々の諸問題の本質を見抜いて対処するために、情報の収集と戦略の策定を行うことです。「国家百年の大計を策定して経綸を転換せよ」、「改革ではなく維新を断行せよ」と主張しています。
Copyright 編集著作者 近藤章人