「日本の現状に対する危機感と日本の叡智」2006年5月26日公開


日本の現状に対する危機感と日本の叡智

 一日本人として、日本はこれでよいのか、今のままで日本人が子々孫々繁栄を続けられるか、ものすごい危機感があります。

 今の現在の状態は、黒船が来た、開国を求められた、幕末と似ているかもしれません。

 バブルの発生から崩壊、その後の誤った経済政策、地方による国家予算の分捕り合戦、アメリカによる年次改革の要望というより指示、中国や韓国・朝鮮からの内政干渉と半世紀以上前のことへの終わりなき謝罪要求、欧米の国際資本・多国籍企業・国際権力によるグローバル化・・・・私にはこのまま行けば日本は破滅するのではないかとさえ思えるのです。

 日本はその場限りの対策・対応に終始している、日本の国益を考えて日本全体を舵取りできていない、改革も必要なのだが日本人による日本のための改革とは言いがたい、日本が日本でなくなろうとしている、日本同士や日本と近隣諸国の人々との争いがあおられている、日本が外資に買収されてしまいつつある・・・・日本はこのままでよいのでしょうか。

 愛国心について教育に盛り込もうとしていますが、最も愛国心がないのは、国際派のエリートたちではないでしょうか。もっとも愛国心があるのは一般大衆であると思います。名もない庶民のほうが、素朴に国を愛し、日本の伝統を守り、日本人として生きているように思えます。  明治の日本人は外国に留学して、学び、国際的な人脈を形成して、外国で得た知識や経験を日本のために役立てようとしましました。明治の日本が大躍進できた理由のひとつです。  ところが昭和の留学生は、日本のためというよりも、自分が国際的なエリートになり、地位、金、名誉をえようと考え、行動しているのではないでしょうか・・・全員とはいいませんが、少なからずいるようです。  改革という言葉の響きはよく、このままではいけないことも確かなのですが、改革の内容とか、改革の方向性とか、改革をした場合の影響などを慎重に検討するべきでしょう。  このままでは、日本人同士がゆがみあい争い、日本民族・日本国の精神的伝統文化が廃れて、日本が日本でなくなってしまうのではないかと心配しています。また、まとまれば非常に大きな力になるであろう、日本と中国と韓国・朝鮮が、半世紀以上前、日本以外については建国以前のことが原因で争うことが世界の中の東アジアとして得策なのかを冷静に判断しなければなりません。日本は挑発に乗ってはなりませんが、言われるままに何も言わずに見過ごしてもなりません。愚かな争いは一刻も早く終止符を打たなければなりません。  日本人として今の日本の危機に対処をするためには、どうすればよいのでしょうか。

 第一に日本という国、日本という民族が非常に歴史がある国、民族であることを認識することです。中国は歴史が古いとされていますが、国家の興亡があり、同一の国が、同一の民族が、同一の文化が脈々と続いているわけではありません。日本がユーラシア大陸の端の島国であることにもよりますが、日本は日本国であり、日本民族であり、日本文化であり、日本文明でもあるのです。日本国というよりも日本民族の中核は天皇陛下・皇室であることは否定できない歴史的事実なのです。日本は世界でもっとも古い国ですし、日本には日本の国柄があるのですから、日本人自身が、日本が日本でなくなるようなことをしてはなりません。

 第二に方向性も定めずにずるずると改革を一部の人間がやるのではなく、情報を収集して、戦略を策定して、改革よりも維新を実行するべきだと思います。国民に事実を知らさずに、一部の軍部が挑発に乗って戦略もなく既成事実を積み重ねて、日本を破滅させたことは、わずか数十年前のことです。今、日本の中の国際派のエリートが何をやりつつあるのか、外国からやらされようとしているのかを知らねばなりません。明治維新は国の創めに戻った、リセットしたから成功したのです。国民全体がどのようにするべきかを議論して、文明開化、殖産興業、富国強兵に協力したから大躍進をしたのです。今の日本人に必要なことは、日本が日本であること、つまり日本文明についての理解なのです。日本をよく理解したうえで、20世紀から21世紀にかけての世界がひとつになろうとしている時代において、世界全体の中で日本を位置づけ、方向付けなければなりません。

 第三に世界全体の仕組み、世界全体の歴史を知らねばなりません。グローバル化は進んでいるのではなく、グローバル化を進ませているのです。世界各国にはそれぞれの戦略があるでしょうが、歴史を動かしているのは国家だけではありません。国を超えた国際資本・多国籍企業、さらにほ国連などの国際機関もあるのです。情報と戦略は日本人にとってもっとも弱い部分であると言われていますが、情報を収集し、戦略を策定して、国として、民族としての舵取りを行わないと、日本の繁栄も、日本民族の生存もありえません。世界全体の文明の潮流を把握して、日本として、日本人として、文明の進歩に貢献するべきなのです。日本の伝統精神を礎として、世界の主要文明を吸収している日本だからこそ、文明の衝突を避けて、21世紀の地球文明・人類文明を創造することができるのです。日本人は先人の遺産を感謝しつつ伝統的叡智を受け継ぎ、金だ、物だ、権力だ、世界支配だと考えている野蛮人どもに対して、人として生きる道を教えていかねばなりません。日本の叡智が世界を救うのです。

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